勤め先の後輩からこんな質問がありました。
「つみたてNISAは株価が下がってから始めるべきか?」それとも「今すぐに始めるべきか?」という質問です。
株価上昇中の今、過去を振り返ると、
「あー、3月から始めれば良かった・・・」
「今は株価が高いから下がるのを待った方がいいかな・・・」
と考えてしまうのは、当然の事だと思います。
今回の内容は極めて重要なので、より丁寧に解説していきます。
結論
結論は「すぐに始めるべき」です。
以下はアメリカを代表する500社の株価に連動する指数「S&P500」の2020/6/10時点での週足チャートです。
過去を振り返れば、「暴落=バーゲンセール」だったと言えるでしょう。もちろん、この先再度暴落し、「2番底」を目指す展開もあるかもしれません。
3月末の底値でつみたてNISAを始めた人、或いは株を買った人は、+10%~+50%程度の利益が出ています。ここで買えなかった人は「買えばよかった・・・」ってなりますよね。
「安く買って、高く売る」をすれば利益が出る。当たり前の事です。
では、なぜ株価上昇中にも関わらず「今すぐ始めるべき」なのでしょうか?
解説していきます。
なぜ?すぐに始めるべき理由
すぐに始めるべき3つの理由について、それぞれ解説します。
・未来の株価は予想できない
・買い付けまでのタイムラグ
・【超重要‼】「機会損失」とは?
未来の株価は予想できない
未来の株価は、投資初心者はおろか、プロですら当てることが困難です。
「安くなったら買い始めよう」って、それっていつ来るんでしょうか?
暴落がこなくて失敗するパターンを紹介します。
実際の2013年~2015年の米国株価(S&P500指数)を例にとって解説します。
すぐに始めた人(Aさん):「コツコツ2年間積み立ててたらいつの間にか80万円が120万円に!」
暴落を待っていた人(Bさん):「暴落を待っていたら2年が過ぎちゃった…。銀行には投資用のお金が80万円も貯まっちゃった。2年前からコツコツ積み立てていれば良かった!」
暴落が無ければこうなります。
つみたてNISAは「買い」までにタイムラグがある
つみたてNISAでの投資信託の買い付けには、最低でも2営業日のタイムラグがあります。
また、つみたてNISAを最もお得にできる楽天証券の場合は例外となっています。
つみたてNISAを「クレジットカード決済」出来る唯一の方法として
楽天証券+楽天カードがあります。
つみたてNISAを毎月3万円掛けた場合、1%の300円分のポイントが付きます。
しかも貯まったポイントは翌月のつみたてNISAの掛金で消費出来ます。
実質、毎月1%つみたて金が安くなります。
これを10年間続けた場合、300円 × 12ヵ月 × 10年 =36,000円 の「確定利益」が出ます。かなりおいしいです。
しかしデメリットがあり、
毎月12日締め ⇒ 翌月1日買い付け ⇒ 1~2営業日後に約定
と、半月以上の購入タイムラグがあります。
※楽天証券で楽天カード決済を使ってつみたてNISAをした場合に限ります。
その為、買い時を見定めて「今だ!」とつみたてを開始しても、半月後には全く想定外の株価になっている可能性があります。
【超重要‼】「機会損失」とは?
つみたてNISAを今すぐに始めるべき最も大事な理由です。
この「機会損失」という言葉をお伝えしたくてこの記事を書いたといっても過言ではありません。
「機会損失とは?」⇒「本来得られるはずの機会を失ったこと。投資をしなかった事による損のこと」
投資未経験者のよくある意見として
「いやいや、”投資してない=損” とかあり得ないっすわ(笑)」
という意見があります。そう思いますか?
では、例を挙げて説明します。
すぐに投資を始めたAさんと、「株価が下落したときだけ、つみたてをした」Bさんを比較します。
AさんもBさんも、毎月3万円の投資可能資金があります。
Aさんは米国株式(S&P500)に毎月3万円をつみたて投資します。
Bさんは毎週、米国株(S&P500)が3%以上、下落した時だけ、3万円を投資します。
【Aさんの結果】
10年間、毎月3万円をつみたてた結果
投資金額 360万円 ➡ 評価額 580万円、損益+220万円、損益率+61%
【Bさんの結果】
10年間、毎月「-3%下落」した時だけ3万円をつみたてした結果
投資金額 90万円(貯金270万円)➡ 評価額 180万円、損益+90万円、損益率+100%
※ざっくり計算なので実際のデータとは異なる可能性があります。あくまでイメージです。
どうでしょうか?
AさんよりもBさんの方が「平均購入単価」は安くなります。
また、Bさんの方が「損益率」は高くなります。効率の良い投資が出来ているという事ですね。
しかし、毎月コツコツ積み立てたAさんと比べて、Bさんは利益が少ないです。
さらに、この先、仮に10%の株価上昇があった場合の事を考えてみましょう。
Aさんの場合は
評価額580万円の+10%=+58万円の恩恵が受けられます。
これに対して、Bさんの場合は
評価額180万円の+10%=+18万円の恩恵が受けられます。
この差額、40万円がBさんの「機会損失」となります。
毎月のつみたて金額の目安は?
つみたてNISAの場合は毎月100円~1円刻みで、最大33,333円/月までつみたてる事が出来ます。配偶者がいる方は夫婦で最大66,666円までつみたて可能ですね。
つみたて金額は家庭それぞれ「余剰金」が違うので、必ず「生活の負荷にならない範囲」で設定しましょう。多すぎてもダメ、チャンスを待つという理由で少額にするのもNGです。
例えば金額が少なくなっても同じです。
例えば、毎月3万円じゃなくて、毎月1万円にして、株価が下がった時だけ3万円つみたてしよう!という意見も、上記と同じ理由で「機会損失」が発生します。だったら毎月1万5000円の「定額」にした方が機会損失が減ります。
安全に長く続ける事が出来る「最大の金額」をコツコツと機械的につみたてていく。
これが「機会損失」を最小限に抑えることが出来ます。
まとめ
改めて結論です。
つみたてNISAは今すぐに始めるべき。
理由は3つ、
未来の株価は誰にも予測できない為
投資信託の買い付けにはタイムラグがある為
「機会損失」が発生してしまう為
別の記事でも書きましたが、
つみたて投資を成功させる為の2つのコツを再度記載します。
・早く始める事。
・長く続ける事。(途中でやめない事)
今回は「早く始める事。」の理由を詳しく解説しました。
「長く続ける事」についてはまた別の記事で解説します。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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