今回は久々に保険のお話です。
積立型の医療保険の利回りの求め方について、解説します。
※この方法は私の経験を元に考えたものです。あくまで参考程度にお考え下さい。
積立型保険
保険屋「皆さん、保険の掛金、ムダにしてませんか?」
保険屋「こちらの商品では、あなたが掛けたお金が、丸々返ってくる!!…だけでなく!なんと+5%されます!」
保険屋「毎月の掛金が増える、返ってくる保険!!」
こんなフレーズを聞いて、どう思いますか?
「おー、いいな」と思う方もいらっしゃるはずです。
一見魅力的に思えるこういった「積み立て型保険」実際の増え幅(年間リターン)を計算する事により
その保険の「お金を増やすパワー」を数字で知ることが出来ます。
良し悪しの見抜き方
先に結論だけ書くと、
1、積立型保険と同じ保障内容の「掛捨て型保険」の見積もりを取る。
2、毎月の掛金の差額を調べる=毎月の積み立て金額の算出。
3、毎月の積立金額と、最終的な返還金の2つを元に「年間リターン」を計算する。
以上です。
例を参考に、詳しく解説します↓↓↓
例)約105%戻ってくる医療保険
こちらの保険は、一般的な医療保険(入院+手術の保障)の積立型のものです。
保険加入年齢は38歳としています。
毎月4,385円の保険料を払います。
70歳直前になると、掛金の合計は約168万円となります。(特約除く)
そこで約176万円のお金が受け取れます!
その後は、毎月の保険料は変わることなく続けることが出来ます。
168万円➡176万円なので、約+4.76%の利益が出ていることになります。
入院+手術の保障を受けながら、お金が貯まっている!?
素晴らしい保険ですよね。
皆さんはこの保険、魅力的だと思いますか?
契約したいと思いますか?
手順に従い、良し悪しを見抜く!
では手順に従ってやってみましょう。
1、積立型保険と同じ保障内容の「掛捨て型保険」の見積もりを取る。
実際にとった見積もりです。
先ほどの「105%戻ってくる積立型保険」の「掛け捨てVer.」です。
毎月の掛金は1,730円で、一生涯保険金は上がりません。
2、毎月の掛金の差額を調べる=毎月の積み立て金額の算出。
105%戻ってくる積立型保険=4,385円/月
掛け捨て保険=1,730円/月
4385-1730=2655
「毎月2,655円が積み立てに回っている」という事が分かりました。
3、毎月の積立金額と、最終的な返還金の2つを元に「年間リターン」を計算する。
毎月2,655円を積み立てて、
33年後に176万8032円を貯めた時の「年間リターン」を計算します。
計算は↑の楽天証券のサイトが非常に便利です!
計算の結果は「2.9%」と出てきました。
元本は105万1380円。これが33年後に176万8032円になるという事です。
この保険の落とし穴
この保険の落とし穴は大きな2つの落とし穴があります。
1、入院や手術で保険を使った場合「使った分だけ176万円が減る。」
例えば10日入院して、1日5000円 × 10日 = 5万円の保険金が下りるとします。
その場合は、176万8032円から5万円が減り、171万8032円となります。
これって、言い方を変えれば「自腹」って事になりませんかね?(笑)
2、70歳以降は「毎月4495円の掛け捨て保険」となる。
掛け捨て型保険は「解約するまで1,730円/月」の保険料に対して、
「積立型」は33年目にお金を受け取ってから「割高な掛け捨て保険」となってしまいます。
この見積もりを出してくれた保険屋さんの方は
「70歳になったら解約するも良し、続けるも良しです♪」
と仰っていましたが、寧ろ70歳以降にお世話になるのが保険なのでは無いでしょうか…。
まとめ
今回は、実際の見積もりを例に挙げて「積立型保険」の性能の調べ方についてお話しました。
調べた結果「年間リターン+2.9%の貯蓄性能を備えた医療保険」でした。
これだけ見ると、なかなか良さそうな保険に思えます。
しかし、落とし穴がある事や、最もリスクの低い株式の投資信託(全世界株式)のリターンが+5%程度である事を考えると
やはり魅力的とは思えないです。
強いてメリットを挙げるなら「簡単に加入できる」でしょうか。
保険屋さんに見積もりを出してもらい、サインを捺印をするだけですからね。
尚、私のこれまでの経験上、「積立型保険」の「年間リターン」は概ね「+0.1%~+1.5%程度」です。※参考までに。
参考になった方は、次の記事もお楽しみに!
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